イエイツの詩ⅱ~老人どもが怒り狂ってわるいか?
老人どもが怒り狂ってわるいか?
長生きをするうちには、確かな蚊鉤釣師の
手首をしていた好ましい若者が
酒くらいのジャーナリストに変るのも見る、
端から端までダンテを読んだ娘が
やがて馬鹿に子供を生まされるのも見る、
ヘレネーのような美女が社会の福祉とかを
夢見て荷車によじのぼり、金切声で喚くのも見る。
運しだいでは善人が飢え死にもするし、
悪人でも出世をするのが世のつねだと思い知る。
光をあてた幕に影がうつるように、
身辺の者らがくっきりと姿をあらわしても、
断ち切られずにすむ幸福な精神のお話なんぞ、
出発にふさわしい結末なんぞ、ただのひとつも
見あたらぬのが世の習いだと知っている。
若者たちはこういう話を何ひとつ知りはすまい。
じっと世間を見てきた老人どもは知りぬいている。
若者たちが古い書物の語るところを知るときに、
それよりいい目にあうはずがないのを知るときに、
老人が怒り狂うわけをさとるのだ。
(『イエイツ詩集』より/高松雄一訳)
ウィリアム・バトラー・イェイツ(William Butler Yeats, 1865年6月13日 - 1939年1月28日)は、アイルランドの詩人、劇作家。イギリスの神秘主義秘密結社黄金の暁教団(The Hermetic Order of the Golden Dawn)のメンバーでもある。ダブリン郊外、サンディマウント出身。神秘主義的思想をテーマにした作品を描き、アイルランド文芸復興を促した。日本の能の影響を受けたことでも知られる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イエイツの詩の「老人」は、まだ怒る元気があるのだから大したものだ。
とある自治体の、リタイアした団塊世代を地域の活動に取り込む企画のセミナーのレジメを見て、思わず吹いた。
・階級闘争はしない
・理論を人に押し付けない
・言うだけではなく、行動に移す
・「生涯現役」と先頭に立とうとせず、後の世代を押し上げる
…etc
公の機関で、なんて歯に絹着せぬことを書いてしまっているのか、と。
しかし、この企画はとても好評らしい。
薄気味悪い偽善的な、当たり障りの無いキャッチフレーズより、この方が『あのへん』の世代には好感を持たれたのだと思う。
メリークリスマス。
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